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はじめに
近年増加の一途をたどる成人先天性心疾患のうち,未治療,すなわち小児循環器科医や小児心臓外科医による診療を受けておらず,循環器内科医が対峙することの多い疾患として,心房中隔欠損,動脈管開存(PDA),心室中隔欠損が挙げられる.前二者はカテーテルインターベンションの発展により,近年その治療体系が大きく変化しており,up-to-dateな対応が求められる疾患群である.
PDAのカテーテル閉鎖は1967年にPorstmannが行ったpluggingに始まる1).動脈管形態に合わせて用手成型したアイバロンスポンジを動脈管にはめ込む同方法は本邦にも導入されたが,熟練した手技実践者数は制限的であり広く普及するには至らなかった.1989年からは日本でもRashkind閉鎖栓2)の臨床試験が行われたが,使用承認を得られずに終了した.一方,血管塞栓用のコイルを使用した動脈管閉鎖術が1992年にCambierらによって報告され3),本邦でも1994年頃からPDAのコイル閉鎖術が行われるようになった.同方法は1994年12月にねじ込み式の着脱機構を有するJackson detachable coil(現在のFlipper®コイル)がPDAを適応症として登場したことにより広く普及した.しかし,3~4mmを超えるサイズのPDAに対するコイルでの閉鎖には限界があった.0.052インチGainturcoコイルに着脱機構を付加して太いPDAを閉鎖する工夫も試みられ一定の成績と普及をみたが,難易度が高く熟練を要する手技であった.2009年にAMPLATZER® Duct Occluder(ADO:図1)がわが国に導入されPDAの治療は大きな変革を迎えた.
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