連載 汎用IT機器とリハビリテーション
記憶障害支援ツールとしての携帯電話とPDA
中山 剛
1
1国立障害者リハビリテーションセンター研究所
キーワード:
高次脳機能障害
,
携帯情報端末
,
スケジュール管理
,
GPS
Keyword:
高次脳機能障害
,
携帯情報端末
,
スケジュール管理
,
GPS
pp.288-289
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102414
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現在の携帯電話は多機能となっており,一般の通話機能以外にもテレビ,カメラ,メール送受信,音楽プレイヤー,レコーダー,ナビゲーション装置などとしても利用できるほか,クレジットカードや定期券の代替としても利用できる機種も存在する.近年はインターネットと親和性の高いスマートフォンが飛躍的に市場に広がっている.それに伴い,スマートフォン向けの多数のアプリケーションが開発されており,好きなものを選択して利用することができる.しかし,その一方で,携帯電話が多機能過ぎて,操作方法が複雑になるため,記憶障害者が携帯電話を操作できないといったケースがある.また,間違った電話番号にいつも掛けてしまって困るといったケースもある.そのような場合の対応として,もともと備わっている機能を少なくして操作を簡単にした携帯電話の機種がある.また,利用できる機能を制限できるサービスもある.例えば,登録した電話番号にしか通話発信できないよう設定し,登録した電話番号からしか着信しないように設定することもできる(ダイヤル発信制限と登録外着信拒否).メールに関しても同様な設定ができる機種やサービスがある.記憶障害者の状態やニーズに合わせて,携帯電話の機種やサービス,機能制限などを適切に設定ができれば,支援ツールとして携帯電話の利用幅が広がることも多い.
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