Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題:姿勢と姿勢異常
特殊の臨床的姿勢異常—〔その1〕痙性麻痺における姿勢異常
Postural abnormality in special clinical states: postural abnormality in spastic paralysis-
荒木 淑郎
1
Shukuro Araki
1
1九州大学医学部脳神経病研究所神経内科
1Department of Neurology, Neurological Institute Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.489-495
発行日 1967年10月25日
Published Date 1967/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906410
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I.はじめに
中枢神経系の傷害により,筋トーヌスは亢進または低下を示すが,筋トーヌスの亢進はさらにspasticityとrigidityに大別される。しかしspasticityとrigidityは,ともに単なる現象学的立場から区別された臨床上の状態であり,両者が混在したいおゆるrigidospasticityを呈する場合もある。
さて,spasticityは一般に次のごとく解釈されている。すなわちspasticityとは,伸展位にある四肢を他動的に屈曲させる際に認められる一種の弾力ある抵抗を感ずる状態であり,特に屈曲の初めに強い抵抗を感じ,それ以上屈曲させると急に抵抗がなくなるといつた,いわゆる折り込みナイフ現象clasp knife phenomenonを示す筋トーヌスの亢進であるとされている。
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