Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題:姿勢と姿勢異常
姿勢の発達
Developmeut of posture
有馬 正高
1
,
小宮 和彦
1
,
藤沢 厚子
1
,
小野 和郎
1
Masataka Arima
1
,
Kazuhiko Komiya
1
,
Atsuko Fujisawa
1
,
Kazuo Ono
1
1東邦大学医学部小児科学教室
1Department of Pediatrics, School of Medicine, Toho University
pp.483-488
発行日 1967年10月25日
Published Date 1967/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906409
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I.緒言
姿勢は年齢によつてかなり明らかな特徴があり,多くの研究者は,姿勢を詳細に観察することにより小児の成熟段階を推察することが可能であると指摘している。小児における姿勢の発達は,運動能力の発達と密接な関係があり,寝ていたのが,坐り,寝返り,這い,さらに,起立から歩行へと1年あまりのあいだに進歩する過程に併行していちじるしい変化を示す。この間に,神経系の発達,筋力,経験などがいちじるしく進歩し,最初は反射的運動しか示さなかつたものが,みずからの意志をもつて自発的に運動を行なうようになつてくる。したがって,発達と姿勢の関係について知るためには,胎生期から意志的な運動が完成されるまでにどのように変化するかを知ることが重要と考えられる。以下,姿勢に関係の深い要素を考慮しつつ,著者の経験をもとにして,発達に伴う姿勢の変化の特徴を述べることにする。なお,自験例として選んだ例は,すべて,精神および運動機能が正常に発達し,健康と考えられる例である。
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