Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題:姿勢と姿勢異常
特殊の臨床的姿勢異常—〔その3〕Paraplegia in flexion
Paraplegia in flexion of the aged patients: Clinical and anatomical considerations
亀山 正邦
1
,
塩沢 瞭一
1
Masakuni Kameyama
1
,
Ryoichi Shiozawa
1
1浴風会病院
1Yokufukai Geriatric Hospital
pp.503-508
発行日 1967年10月25日
Published Date 1967/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906412
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I.緒言
Paraplegia in flexion(屈曲性対麻痺)は,運動麻痺のなかにおいて,もつとも重篤な病態の一つであり,神経系の各種のレベルにおける障害によつておこりうることが知られている。その成因疾患としては脊髄疾患が重視されているが,広汎な脳疾患時にもおこることは,古くから指摘されている1)-7)。Babinskiは,この病態の特徴としてつぎのものをあげている。すなわち,拘縮にょつておこる両下肢の屈曲,防禦反射の亢進,膝反射の減弱ないし消失,解剖学的には錐体路は障害を免れている点を述べている。しかし,これらの問題については,諸学者の見解は必ずしも一致していない。われわれのこの研究の目的は,つぎの三つにある。
(1)臨床的に両下肢の屈曲性拘縮を示した老年者(60歳以上)剖検例について,それらがどのような精神,神経症状を有しているかを検討する(屈曲性対麻痺を広義に解釈した)。
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