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神経を電気刺激が伝わり,神経終末よりアセチルコリン(ACh)が放出されると,一部はシナプス間隙に存在するAChエステラーゼにより分解されるが,残りはシナプス後膜に到達しニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)に結合する。するとnAChRは何らかの構造変化を起こし,そのイオンチャネルが開く。その結果,ナトリウムイオンの細胞内への流入が起こり微小終板電位を生じる。個々のnAChRの微小終板電位の総和が閾値に達すると,筋活動電位が生じ筋収縮が起こる。
nAChRは,骨格筋,自律神経節,中枢神経系,副腎髄質などに分布するコリン作動性ニューロンのシナプス後膜に存在する。とくに発生学的に筋肉に由来する電気魚の電気器官は,大量のnAChRを含むため広く研究に用いられ,nAChRの構造と機能の解明に大きな役割を果たした。筋肉nAChRの構造は,電気魚から哺乳動物までよく類似しており,α2βγδという4種のサブユニットからなる5量体構造をもつ(分子量約290,000)1)。4種のサブユニットは,すべてアスパラギン結合型の糖鎖をもち,それぞれ別の遺伝子によってコードされているが,そのアミノ酸配列は互いに似ているので,これらの遺伝子は同一の祖先遺伝子から進化してきたと考えられている。
The nicotinic acetylcholine receptor (AChR) contains both binding sites and an aqueous cation-selective channel or pore that opens for times on the order of milliseconds as a result of agonist binding. The receptor from skeletal muscle is an integral membrane protein comprised of four homologous polypeptide subunits, in the stoichiometry α2βγδ. Analysis of the AChR primary structure led to the assignment in each subunit of four hydrophobic transmembrane segments designated as M1, M2, M3, and M4, a fifth amphipathic segment known as MA.
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