Japanese
English
特集 第20回脳のシンポジウム
視覚の中枢神経機構
サルの外側膝状体の皮質投射(抄録)
Geniculo-striate projections in the monkey.
伊藤 和夫
1
Kazuo ITOH
1
1京都大学医学部解剖学第一講座
1Department of Anatomy (1st Division), Faculty of Medicin, Kyoto University
pp.977
発行日 1985年12月10日
Published Date 1985/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905750
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外側膝状体および視覚領皮質は視覚中枢機構の重要な構造であるが,動物種によってその構成が著しく異なると考えられてきた。外側膝状体の皮質投射のareal distributionはネコでは17野以外に18野,19野,lateralsuprasylvian visual areaなど非常に広汎であるが,サルでは17野のみといわれてきた。しかし,最近の研究ではサルの18野,MTなども外側膝状体の直接投射を受けることが明らかとなった。17野において,外側膝状体線維はネコ,ツパイ,ガラゴではIV層に加えて,I,III層などのsupragranular layerにも終止するが,サルではsupragranular layerへの外側膝状体からの投射は否定的であった。
リスザルの外側膝状体にWGA-HRPを注入すると,17野のIV層に外側膝状体線維の標識終末が非常に密に認められる。それに加えて,I層,III層にも標識終末がみられる。とくにIII層の標識終末はパッチ状あるいは柱状に分布し,パッチの幅は約200μmであり,IV層にみられるocular dominance columnのそれよりも狭い。各パッチの中心間距離は400へ500μmである。
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