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はじめに
従来変性性神経疾患における排尿障害の研究は乏しく,その具体的な内容についてはほとんど明らかにされていなかった。その理由として膀胱内圧測定以外に有力な排尿機能検査法がなく,排尿機能についての知識も不十分であったことが考えられる。近年urodynamic studyと呼ばれる排尿機能検査法が臨床に導入され,排尿機能の解明が進むとともに排尿障害の病態がいっそう具体的に明らかにされるようになった。すでに著者らはurodynamic studyを用いて運動ニューロン,錐体外路系,小脳系,自律神経系にそれぞれ主病変を有する代表的な変性性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS),Parkinson病(PA),オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA),Shy-Drager症候群(SDS)の排尿障害の病態について発表してきた9,10,12,13)。
今回さらに検査対象症例を増やし,各疾患における排尿障害の病態を整理し,ついで同じ方法で得られた結果を比較検討することにより各疾患の排尿障害の特徴をよく理解することができた。
Neurourological studies were carried out on patients with amyotrophic lateral sclerosis (ALS), Parkinson disease (PA), olivo-ponto-cerebellar atrophy (OPCA) and Shy-Drager syndrome (SDS) to investigate the disturbance of micturition. Theresults were as follows :
1. The detailed micturitional history revealed that 17/36 (47.2%) patients with ALS, 55/97 (56.7%) patients with PA, 21/23 (91.3%) patients with OPCA and 10/10 (100%) patients with SDS had urinary symptoms.
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