Japanese
English
特集 多系統萎縮症—特にShy-Drager症候群を中心に
Shy-Drager症候群の治療—排尿障害の治療
Therapy of Vesical Dysfunction in Shy-Drager Syndrome
服部 孝道
1
,
安田 耕作
2
Takamichi Hattori
1
,
Kosaku Yasuda
2
1千葉大学医学部脳研神経内科
2千葉大学医学部泌尿器科
1Department of Neurology, Brain Research Institute, School of Medicine, Chiba University
2Department of Urology, School of Medicine, Chiba University
pp.671-674
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205545
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I.はじめに
Shy-Drager症候群(SDS)に尿失禁や排尿困難等の排尿障害を伴うことは良く知られており,起立性低血圧,発汗障害,陰萎等と並んで重要な自律神経症状の一つである。SDSのように四肢の運動障害を有する患者に頻尿や尿失禁が加わると患者の日常生活動作をさらに悪化させ,残尿があれば尿路感染を生じ,上部尿路に影響を与えて腎障害をきたし,患者の生命予後に影響を及ぼす危険性がある。従ってSDS患者を扱う臨床医は排尿障害に対する適切な対処法を心得ている必要がある。
しかし,従来SDSの排尿障害についての研究はほとんどなされておらず,治療指針といえるものもなかった。排尿障害の治療は疾患の種類を問わず,その病態を理解して行うのが理想である。著者らはこれまでSDSの排尿障害の病態およびその治療法について報告してきた1,2,3)。以下これらの報告をもとにSDSの排尿障害の病態を整理し,ついで治療について述べる。
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