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はじめに
進行性筋ジストロフィー症,とくにDuchenne型の生検筋をみると散在性に貪食作用を受けている壊死線維があり,さらに組織化学的に幼若で再生しつつあると思われる筋線維が多数存在する。活発な再生が存在するのに臨床症状が進行することについては,筋の変性壊死が再生を上まわる速度で生じている,再生が十分でなく不完全である,などの可能性が考えられている。いずれにしても筋ジストロフィー症では筋線維の変性壊死が病理学的な根底をなす疾患であることに異論はない。なぜ,またどのような機序で筋線維が壊死に陥るのか,それはまだ十分に明らかにされていない。最近の知見としては筋ジストロフィー症では筋線維のみならず全身の膜系の異常が存在する可能性が指摘され,膜の異常が出発点となって筋の変性壊死が惹き起こされるとするものが多い。本稿ではその仮説がいかにして樹てられ,どのような意味を持つのか自験例を中心として(とくにDuchenne型を中心として)紹介してみたい。
Abstract
Whether the opaque (hyaline, dark, hypercon-tracted or hyperreactive) fibers could represent early pathological changes in muscular dystrophy or mere artifacts induced during biopsy of muscle specimen and/or its preparation has been disputed. Even if they were artifacts, their high frequency in Duchenne dystrophy would reflect increased susceptibility of the muscle membrane to trauma, which may be regarded as "meaningful artifact".
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