Japanese
English
総説
筋ジストロフィー症の神経説
The neurogenic hypothesis of muscular dystrophy
杉田 秀夫
1
Hideo Sugita
1
1東京大学医学部脳研神経内科
1Department of Neurology, Institute of Brain Research, Faculty of Medlcine, University of Tokyo
pp.569-578
発行日 1975年6月1日
Published Date 1975/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203717
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
進行性筋ジストロフィー症(DMP)は筋肉の"primary"の疾患であり,従つてその病変は筋肉自身にあり,denervationによるものではないと考えるのが通説である。即ちDMPは遺伝疾患であるから遺伝生化学的異常は一次的に筋細胞自身にあると考えるわけである。しかしこの説は最近二つの大きなchallengeをうけている.その一つはK.Engel等の提唱する血管説,もう一つは本項の主題であるMcComas等を中心とするグループの神経説である。そして1973年雑誌"Nature"1)はNews and ViewsでMuscular dystrophy andthe neurogenic hypothesisと言うeditorialを発表し,広く神経説を紹介している***。本症の原因は未だ不明であり,決して筋肉自身に遺伝的異常がある事が確定したわけではなく,その意味で本症の神経説が出現した歴史的経過,神経説の具体的根拠,問題点等を概説してみたいと思う。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.