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はじめに
筋ジストロフィー症,とくにDuchenne型においては筋原線組の減少が顕著であり,構造タンパク質の分解が異常に促進されているように見える。しかしながら,この筋原線維の減少すなわちタンパク質異化の異常亢進は本症の一次的な原因ではなく,なんらかの欠陥の結果生じた二次的な現象であると考えられる。しかし,筋原線維の減少についての研究は,それがかなり直接的に病態を表現しているにもかかわらず,人が対象のためほとんど進まず,最近になって実験モデル動物の普及とともに活発に研究されるようになった。
一般にタンパク質の減少には二つの原因が考えられる。一つはタンパク質合成の低下であり,もう一つはタンパク質分解の亢進である。筋ジストロフィー症においてはとくに筋線維の崩壊像が見られること,またタンパク質合成系は低下せずむしろ多少亢進していることが報告されているので主として後者にその原因が求められよう。また,可溶性酵素の減少に比して構造タンパク質全体の減少が顕著であることから,筋構造タンパク質が特異的に代謝される環境にあるといってもよい。そこで筋構造タンパク質を分解するタンパク分解酵素(プロテアーゼ)が注目され始めた。
Abstract
The role of the intracellular proteinases, espe-cially Ca2+ activated neutral protease (CANP) was briefly reviewed.
Increased activities of various proteinases, in-cluding lysosomal enzymes have been reported in muscle diseases, especially progressive muscular dystrophy. But, this may not be the primary cause of the disease. Lysosomal proteinases, espe-cially cathepsin requires optimal pH of 5.0 or less for its activation and it is unlikely that the extra lysosomal pH in muscle cells ever decreases to such degree.
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