特集 神経学における最近の研究
<臨床>
筋萎縮性側索硬化症—紀伊,グアム集積発病例について
八瀬 善郎
1
1和歌山医科大学応用医学研究所
pp.867-868
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904966
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)は,一般にはほぼ一定の頻度(有病率で人口10万当り2〜6)で世界各地にみられるが,西南太平洋に集積発症を示す地域が2か所確認されている。すなわちマリアナ群島のグアムと本邦紀伊半島南部である。これらALS多発地域は(奇しくも地理的に,マリアナ火山帯上にある),ALSの成因解明上きわめて重要かつ興味ある研究分野で,過去20年間種々な方面から研究が進められてきた。これらの地域の最近10年間の疫学的知見は,ALS発症に,外的(環境)因子が重要な関わりをもつことを示唆しており,両地域の詳細な比較検討は,ALS病因解明と治療への重要な手がかりとなろう。
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