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特集 神経疫学
紀伊半島における筋萎縮性側索硬化症の疫学
Neuroepidemiology of Amyotrophic Lateral Sclerosis in Kii, Japan
楠井 賢造
1
Kenzo Kusui
1
1和歌山医科大学第2内科
1The 2nd Dept. of Internal Medicine, Wakayama Medical College
pp.255-264
発行日 1963年3月25日
Published Date 1963/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904012
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I.緒言
筋萎縮性側索硬化症(以下ALSと略す)を筋萎縮を伴うその他の諸種疾患から分離して,一つの独立疾患としたCharcotの記載は1865年にはじまり,1872年に完成している。本症は欧州では稀な疾患とされているが,我国ではそれほど稀ではなく,ことに紀伊半島に目立つて多いと唱えられている。昭和36年4月,第58回日本精神神経学会総会のシンポジアムMotor neuron diseaseにおいて,私1)は「紀伊半島における筋萎縮性側索硬化症およびその類症について」と題して講演を行い,また昭和37年4月,第う回日本臨床神経学会では,冲中重雄教授を主班とする神経疫学調査研究班の昭和36年度紀伊半島におけるALSおよびその類症の調査成績が冲中ら2)および楠井ら3)によつて報告された。本稿では,これら3報告の資料にもとづき,紀伊半島におけるALSの疫学に関する過去および現況について述べてみたいと思う。
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