特集 神経学における最近の研究
<臨床>
脊髄小脳変性症における小脳系・錐体外路系連合病変の臨床病理学的研究
平山 恵造
1
1千葉大学脳研神経内科
pp.856-857
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904961
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従来,脊髄小脳変性症や小脳萎縮症において,錐体外路系病変の合併はあまり重視されなかった。錐体外路病変が「合併しうる」とか「合併することもある」というような,偶発的な合併と理解された面が強い。しかし,脊髄小脳変性症の中には,錐体外路病変を伴うのが,むしろ必然的な,あるいは本質的と考えられるものがあり,少なくとも2つの疾患を指摘することができる。1つはオリーブ橋小脳萎縮症であり,他の1つは歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症である。前者は脊髄小脳変性症の中でも古典的な意義をもつ,代表的なものの1つであり,後者は最近,わが国で比較的多く報告され,注目されてきたものである。他方,従来錐体外路疾患とされながら,病理学的に小脳系にも病変を有する疾患があり,これらは上記疾患の近縁疾患として,標題のごとき検討をする上で重要である。
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