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はじめに
小脳変性症の中でも,とくにオリーブ・橋・小脳萎縮症には錐体外路症状を伴うものがあることはつとに知られていたが,それは偶然の合併であると見るのが支配的であった。ちなみにDejerine et Andre-Thomas(1900)10)の原著症例でも筋緊張低下はなく筋強剛が認められているにかかわらず,それに関する見解はなく,また遺憾ながら中脳以上の錐体外路系に関する病理所見の記述もない。爾来,多くの教科書的記載をみても,錐体外路症状は少数例でみられるという表現にとどまっている〔Wilson(1940)65),Merritt(1955,1973)45),椿(1966)61),Escourolle(1967)14)〕。これらに較べGreenfield(1954)18)の著述や,近年の著書の中には錐体外路症状のみられることが多いと記されているものもある〔中村(1974)48),Eadie(1975)12)〕。
しかしながら,われわれが経験したオリーブ・橋・小脳萎縮症4例での臨床病理学的検討では,軽重の差はあれ,全例で臨床的にも,また病理組織学的にも錐体外路障害をあわせ有し,これを単なる偶然の合併として片づけることに疑念がもたれた。
In the original case of olivo-ponto-cerebellar atrophy (OPCA) reported by Dejerine and Andre-Thomas (1900), histopathological findings of the basal ganglia and midbrain were not discribed in spite of existence of extrapyramidal symptom (hypertonia). In many textbooks ofneurology that extrapyramidal symptoms have not been given enough consideration in OPCA, though many of OPCA cases with both extrapyramidal symptoms and lesions have been reported.
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