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はじめに
失語症は比較的選択的に起こった大脳損傷のために,言語表象を取り扱う機能が障害された結果起こる言語機能の障害であり,しばしば言語機能障害以外の脳損傷症状をも伴う,と定義されている1)。ここでは主として失語症の神経生理学的側面を取り扱うことから,失語症をもたらす大脳損傷の局在と程度についての神経生理学的な所見とともに,副次的に問題となってくる言語機能以外の障害を取り扱うことにする。
言語機能障害は通常,受容面と表出面の障害に大別されて論ぜられる。しかしながらかかる2分割的分類には以下に述べるような問題がある。すなわち,受容面の障害の評価は呼称された日常品を指差すなど他の形の表出機能を借りてなされること,受容面の障害は注意力など他の精神機能の障害の有無に大きく左右されるなどである。また,表出面は表出をもたらす刺激を受け入れる受容面の機能が必要で,表出に際しては呼吸,発声,構音,右手の運動などの基礎にたって行なわれるなどである。また表出には意志を必要とするが,表出された言語はただちに判定の対象となる。
Neurophysiological aspects of aphasia were studied.
1. 0-1 score, one-dimensional indication of aphasia.
The above score was adopted for indicating the severity of aphasia. The results obtained by Minnesota Test for Differential Diagnosis of Aphasia applied to 176 cases with aphasia were analysed for obtaining the score representing principal constituents, and the highest value thus obtained was designated as 1 and the lowest as 0.
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