Japanese
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特集 失語症研究カンファレンス
脳硬塞による日米失語症状の比較
Correlative Study of Aphasia due to Cerebrovascular Disease in Japan and United States
永江 和久
1
,
勝木 司馬之助
1
,
Hildred M. Schuell
2
Kazuhisa Nagae
1
,
Shibanosuke Katsuki
1
,
M. Schuell Hildred
2
1九州大学医学部第2内科学教室
2Department of Neurology University of Minnesota
1The Second Department of Internal Medicine Faculty of Medicine, Kyushu University
2Department of Neurology University of Minnesota
pp.169-175
発行日 1971年6月30日
Published Date 1971/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904703
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従来失語症の発現は言語に関する教育法,環境,思考形式などの相違によつても影響されるといわれているが,日本語における失語症の特徴が論ぜられる際に失語症という共通の症状群が日本語を母国語とする国民に起こつた場合,患者によつて用いられる日本語にどのような変化が起こるか,あるいはその変化の中に他国語を話す失語症患者にみられない独特な変化があるかなどについて論じたものが多く,具体的には漢字,仮名の問題に関する研究に焦点が絞られてきたように思われる2)。
われわれは昭和38年より教室における脳血管性障害研究の一環として失語症の研究を行なつているが,九大第2内科とミネソタ大学神経科との症例を同一の方法および基準で比較検討する機会を得たので,言語学的水準での相異を論ずることの前段階として脳硬塞における失語症発現の頻度,タイプ,約1年後の状態などについて両者に差異があるか否かを検討した。
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