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特集 中毒性脳障害—第4回脳のシンポジウムより
B・有機水銀中毒と脳障害
〔指定討論〕衛生工学の立場からみた水俣病
Sanitary Engineer's Aspects on Minamata Disease
宇井 純
1
J. Ui
1
1東京大学工学部都市工学科
1Dept. of Urban Engineering, Faculty of Engineering Industry, Univ. of Tokyo
pp.141-144
発行日 1969年4月25日
Published Date 1969/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904591
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I.はじめに
水俣病の再度にわたる発生は,これまでその研究分野を主として上下水道の処理技術にかぎつていた衛生工学に対して,工場排水による深刻な障害の例として,重大な問題を提起した。この事件を契機として,衛生工学者は自然界における物質の循環を理解し,人類の活動に伴つて生ずるさまざまな廃棄物をできるだけ自然と矛盾しないような方法で処分するという極めて困難な課題に直面している。ここでは,以下にどのような事実が水俣病を通して明らかになつたかをのべたい。
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