特集 呉秀三先生の生誕100年を記念して
シンポジウム「呉秀三と病院精神医学」
指定討論
岡庭 武
1
,
松井 紀和
2
,
佐藤 壱三
3
,
猪瀬 正
4
1国立武蔵療養所
2山梨日下部病院
3銚子市立病院神経科
4横浜市大神経科
pp.536-543
発行日 1965年6月15日
Published Date 1965/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200863
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沖縄の私宅監置
現在沖縄においては,精神科医療機関も,精神衛生行政も,本土に比較してはなはだしい遅れが見られる。しかも,いまだに実態調査も行なわれない状況なので,沖縄のスタッフは見通しのつかない相手に向かって奮闘し,病院という窓口での応接にいとまがない。したがつて,医療を受けられない野ばなしの患者がきわあて多く,本土ではまれとなつた私宅監置患者も多数にのぼる。
私は,昨年1月から7月まで日本政府派遣医師の一員として,精神科医療の指導援助を行なつてきた。沖縄のかかえている問題は複雑にして困難な問題が多い。その概略は「病院精神医学」第9集を参照されたいが,たまたま私宅監置を見る機会をえたので,ここに報告する。
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