特集 脳のシンポジウム
主題 視床の構造と機能
指定発言
大谷 克己
1
1千葉大学医学部解剖学
pp.496
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904332
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1)視床の核分類については,多数の研究がある。これらの業績に通じていえることは,視床の核分類が,場所によってはなはだ主観的要素を含みやすいということである。問題の腹側核群も,その例にもれない。さて,ネコについてみると,Jasper & Ajmone Marsan('54),Snider & Niemer('61)およびHirokawa('41)などの分類がある。線維結合との関係からみると,広く用いられているJasperおよびSniderなどのものでも,なお若干の改訂を求めたい点もあるが,Hirokawaの名称を取られた先生は,比較解剖および線維結合との関係からみて,Hirokawaの分類に改訂を要求すべき所がなかったか。
2)JasperおよびSnideaのVP核およびVL核が視床以下の諸核からの神経線維を受け,大脳皮質の知覚運動領に投射し,また逆にそれらの皮質からの投射線維を受けていることは明らかである。しかし,残りのVA核およびVM核の結合関係はあまり明らかでない。比較解剖学的にみて,これら2核の働きを推測せしめるような所見が得られたか。
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