特集 脳のシンポジウム
主題 脊髄の構造と機能
指定発言
本間 三郎
1
1千葉大学医学部生理学
pp.437
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904316
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筋の伸展によつて起こる伸筋運動ネウロンの膜電位変化をみると,電気刺激によるものよりEPSPの上昇はゆるやかで,脱分極は持続している。電気刺激は第I群a線維群を同期的に興奮せしめるためである。伸展によつて生ずるEPSPは,各第I群aに線維インプルスによつてつくられるEPSPの加重によつて作られ,また第I群a線維の経時的インプルスによつて生ずるEPSPにより脱分極は持続すると考えられる。
EPSPの上昇の傾斜は筋伸展の速度に比例してくる。EPSPの上昇がゆるくなると,運動ネウロン発火の限界水準が上昇する。これをEPSPに対する発火の適応とする。適応は発火する個所により異なり,EPSPの上昇がゆるやかになるにつれ,発火個所が軸索丘から,しだいにソーマに向つて移動するものと思われる(大谷と荒木,1965)。
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