シンポジウム Ewing腫瘍とその周辺
発言1/発言2
太田 邦夫
1
,
赤崎 兼義
2
Kunio Oota
1
,
Kaneyoshi Akazaki
2
1東大医学部病理学
2愛知がんセンター研究所
pp.517-518
発行日 1967年5月25日
Published Date 1967/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904235
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Ewing tumorの概念が日本に入つてきましたのは,原著の出た1921年から少しおくれてJames Ewingの"Neoplastic Diseases"という本の出た1924年頃ではないか,と思います.1928年にフランスのOberlingがそれはReticulum cell sarcomaであるということを云い出しましたので,何分リンパ性細網肉腫を注目しかかつたばかりの日本の病理学者はかなり困つたのじやないか,と思います.
1936年頃に東大でEwing腫瘍らしい1例があり,これをOberlingとEwingに送つて,意見を求めたところ,Oberlingは骨の細網肉腫,EwingはEwing腫瘍と診断し,それならば両者は同じものかという感をうけたようでした.現在では,共に珍しいが,異つたものと考えられています.又私自身,東京医歯大で2例ばかりそれかと思う症例を見ましたが,1例は骨周囲に主病巣があり,Lauren Ackermanに見せましたらAngiosarcomaではないかと申し,仲々むずかしいものだと考えたのを覚えております.
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