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特集 第5回神経化学懇話会
一般演題
7.覚せい剤中毒の生化学的研究—第6報 脳ミトコンドリアの解糖
Biochemical Studies on Addiction due to methamphetamine: Report 6. Glycolytic Activity in Brain mitochondrial Preparations
江副 勉
1
,
加藤 伸勝
1
,
二階堂 亨
1
Tsutomu Ezoe
1
1都立松沢病院
1Matsuzawa Mental Hospital
pp.836-842
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904073
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1)われわれの分画したモルモット脳のミトコンドリア分画には呼吸能とともに,解糖活性が認められた。
2)覚せい剤中毒動物脳のミトコンドリアの解糖は対照動物脳のそれより低いが,呼吸は両者の間に有意の差は認められない。
3)中毒動物脳のミトコンドリアの解糖は,反応液に加えられる副因子(ATP,DPN)の濃度に大きく左右され,それらが少ないと対照との間に乳酸生成量に関し,著しい差を生じ,解糖減退が一層はつきりする。
4)脳ミトコンドリアのヘキソキナーゼ活性も中毒動物脳では低下を示す。
5)覚せい剤中毒動物脳ではヘキソキナーゼ活性の低下の他に,フォスホフルクトキナーゼ,グリセロアルデヒド・3・燐酸脱水素酵素の段階でも抑制が起る可能性が暗示された。
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