Japanese
English
特集 小児神経病学
小児てんかん—臨床と脳波を中心として
Childhood Epilepsy, especially Clinicals and EEGs
和田 豊治
1
Toyoji Wada
1
1弘前大学医学部神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, Hirosaki University School of Medicine
pp.379-390
発行日 1962年7月25日
Published Date 1962/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903969
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緒言
てんかんは小児期にその過半数が発病しつくす疾患であり,この意味では小児てんかんについて述べることは,てんかん学の大半に触れることを意味するであろう。しかしながら理論上はともかくとして日常の臨床面に焦点をしぼつてみれば,小児と成人との間には種々の点で差があり,小児てんかんはやはり独自の要素をもつ一領域であることは否めない。これは一に病因・発生機序などはもとより病像自体においても根底に横たわる諸因子が発育過程と密接にからみ合うためであろう。
そこで本稿では小児てんかんの問題の一部である臨床面,とりわけ臨床像と脳波所見に主点をおき,その特異点を検討してみたい。また対象も10歳以下の若年層に主体をおき,成人の要素を加味し始める思春期のそれは割愛したい。てんかんの境界領野も広範にわたるが,別の機会にゆずりたい。
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