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資料
てんかん者の自動車運転免許の問題—国際てんかん協会シンポジウム(1965)から
"Epilepsy and Driving Licences": from the symposium held by International Bureau for Epilepsy in cooperation with International League Against Epilepsy in Vienna, 1965
和田 豊治
1
Toyoji Wada
1
1東北大学医学部精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Tohoku Univ. School of Med.
pp.429-437
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201211
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はじめに
交通災害の問題が深刻さを加えてきた昨今,あれよあれよというまもなく,自動車免許証交付に精神障害の有無記載の診断書提出という法的規制がついに実施されるにいたつた。このことはなにはともあれ,交通対策の一環として前進であり,当然実施されるべき筋のものとして迎えられてしかるべきである。しかし問題はその実施術式であり,それに対す準備・検討である。いかに法治国家とはいえ,これでは一方交通であろう。事実,われわれを始めとし,多くの医師は混乱に投げこまれてしまつた。一日も早くみな混乱から脱しなければなるまい。
さて,狭義精神病者の自動車運転の問題は案外,自他ともに規制が守られやすい。問題は精神病質を中心とする中毒性障害と,いまひとつはてんかんであろう。事実,後者については筆者にも診断規準,脳波上の診断手技や限界を聞きただす質問などが届いている。しかしそれについて即答できる者がはたしてあるであろうか。そこで,それについて検討する糧として,本資料を提供することを思いたつたしだいである。それは本資料がただ単なる報告ではなく,目前につるされた現実の問題として受け取られると思われるからである。
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