Japanese
English
展望
てんかん—臨床と脳波
Epilepsy: Clinicals and EEGs
和田 豊治
1
T. Wada
1
1弘前大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, School of medicine, Hirosaki University
pp.779-788
発行日 1960年12月15日
Published Date 1960/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200277
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いとぐち
てんかんに関する臨床研究は終戦後の10年間にいちじるしく進歩し,またその臨床脳波面も基礎的神経生理学の進展と相まつて大いに開拓されたことは何人も認めるところであろう。しかしそれにひきかえて,その後とくに1955年以降においては,神経生理の基礎領域における発展に比べると,てんかんの臨床面はやや停滞気味であるといつても過言ではあるまい。たとえば1950年あたりをふりだしとしてとりあげられた側頭葉てんかんの研究に比較しうるほどの臨床的新知見のごときものは,少なくともここ2〜3年の間にはもたらされていない。ただその裏面には,偏桃核辺縁系そして網様系へと綜合的に進んでいる生理学的研究があることはみのがしえないところであつて,やがてそのうちにそれらの成果がてんかんの臨床に寄与することが期待される現況である。
ここ2〜3年の間に出版されたてんかんの成書としてはつぎのものが見出されるだけで,その数もさして多くはない。すなわち,Gibbs & Stamp:Epilepsy Handbook(1958),Baldwin & Bailey(ed.):Temporal Lobe Epilepsy(1958),Haas(ed.)Lecture on Epilepsy(1958),Ajmone-Marsan & Ralston:The Epileptic Seizure(1957),Sakel(遺稿):Epilepsy(1958),Tower:Neurochemistry of Epilepsy(1960),そして近刊のLennox:Epilepsy and Related Disorders(1960)などである。
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