Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題—脳死をめぐつて
脳波消失の臨床的判定
Clinical Evaluation of the EEG closely retated with Death in Man
和田 豊治
1
,
堀 浩
1
,
早坂 啓
1
,
高橋 剛夫
1
,
三塚 浩四郎
1
Toyoji Wada
1
,
Hiroshi Hori
1
,
Kei Hayasaka
1
,
Takeo Takahashi
1
,
Koshiro Mitsutsuka
1
1東北大学医学部精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Tohoku University School of Medicine
pp.33-37
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903096
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これまでに危篤状態に陥つた場合の脳波はある程度まで集積しているが,問題の脳死というものに直結する脳波はもちろんのこと,死に至る終末段階の脳波は持ち合わせていなかつた。そこでこの度のシンポジウムにおいて,脳死ないしはその脳波について発言を要請された時,大いにためらいを感じたのであるが,今日のシンポジウムまでに若干の時間があることを考え,該問題にふれ得る資料を求めるべく厳粛な死と対決する本小研究を始めた。しかしなにぶんにも時間がなく,また一方では死の宣告が下されるのに数日間の追究を要する症例もあつたりして,脳波記録に当つた教室脳波室研究員の体力がこれ以上の症例追究を許さなかつた。そこで本発言以上に多くの症例数や経験を有しておられる方々の御意見をうかがうための素材として,本報告を行なうことを許していただきたい。
さて,これまでの死亡以前の脳波記録経験例において,いずれはやがて死に至ることが確実とみられるものに,次の2脳波型がある。
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