Japanese
English
特集 てんかん
臨床脳波とてんかんの分類—新国際分類を中心に
Clinical EEG and Classincation of Epilepsy, with Special Reference to the Classification Proposed by I.L.A.E.
和田 豊治
1
,
高橋 剛夫
1
T. Wada
1
,
T. Takahashi
1
1東北大学医学部神経精神科
1Dept. of Neuropsychiatry, Tohoku Univ. School of Med.
pp.633-656
発行日 1968年10月25日
Published Date 1968/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904534
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I.はじめに
てんかんはHippocrates以前から知られており,Hippocratesの時代にはすでに医学の一中心課題としてとり上げられている37)。以来,2,000年以上に及ぶてんかん研究の歴史を有しながら,てんかんが一つの疾患単位として存在するのか,あるいは数多い基礎疾患から由来する単なる症状群であるかという基本的な概念さえ,今日なお未解決であるといわざるを得ない。
一方,てんかんの分類は,病因的分類を始めとし,臨床発作像・脳波像・病態生理,病理組織所見,治療反応像,さらに精神医学的立場など,種々な見地から試みられてきている。しかしながら,以上のてんかんの諸要因を画一的に統合した合理的なてんかんの分類は,まだ編み出されていないといつても過言ではない。ふりかえつてみると,特に近年の目ざましい神経生理学的知見に基づきてんかんの可及的細分化を進め,一方では臨床発作像を極点として逆に単純化へと努めたものもある。ここに,発作という同一現象に対する態度,それを見る「目」の相違という奇妙な事態が生じてくることは否めない。分化は発展への不可欠な道程であり,そのことはそれで妥当でなければならない。しかし,そのあまりにも多様である個々の分類を前にしては,やはりこの辺である種の統一を図ることの必要性を誰しもが痛感したことであろう。
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