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I.はじめに
神経系で,ある一つの神経細胞が特定の神経細胞と結合する性質を神経特異性(neurospecificity)という。もっと正確には神経系が整然と結合されているのは神経細胞の持っている神経特異性という不可思議な性質によっているとわれわれは考えている。いったい神経細胞はどのようにして相手を探すのであろうか。明らかにこれは単一の機序によるものではなかろう。神経細胞の突起がどの方向に向かって伸びるかはその細胞の置かれた局所的な状況に大きく左右されよう。1本の先発的な神経が正しい結合をして地位を確立するとそのまわりの神経はそれに沿って伸び容易に正しい結合ができるだろう。ある運動ニューロンが伸筋を支配して屈筋を支配しないのは発生の順序とか局所的な構造とかが関与しもし強制すれば屈筋をも支配するだろう。ただ競合状態になればむしろ伸筋を支配したがるかもしれない。また多くの運動ニューロンは発生過程で死ぬが適当な結合のできなかった細胞は選択的に死ぬらしい。しかし運動ニューロンが骨格筋と接合し線維芽細胞や上皮細胞とはシナップスを作らないのは化学的な認識過程があるのではなかろうか。運動ニューロンは特定の分子構造を表面に持った細胞にでくわすと神経筋接合を作るのではないだろうか。これはわれわれの研究の出発点となる想定である。最終的にはその分子構造を同定したい。もしそのような分子があればの話であるが。
To understand synaptic specificity and neuro-trophic interactions at the molecular level, it is desirable to have a system in which the techniques of electrophysiology, electron microscopy and biochemistry can be applied together under well controlled conditions. Recent advances in tissue culture have made it easier to study synapse for-mation in vitro.
Functional neuromuscular junctions have been formed between myotubes from a clonal muscle cell line (L6) or rat primary muscles and spinal cord explants.
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