Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
皮膚に種々の刺激が加えられたさいに内臓の各器官に自律神経を介して誘発される皮膚—内臓反射については,これまで神経生理学的な詳細な研究がほとんどなされていない。内臓機能が皮膚刺激によって反射性に調節される反応自体は生理学的にはもちろん臨床医学的にも興味深い。それにもかかわらずこの分野の研究が著しく立ち遅れてきたその主な原因として次のようなものがある。1)この反射反応が運動反射に比較して変動がきわめて大きい。2)この反射に関与する自律神経線維が運動神経線維に比べ細いので神経の活動電位導出が難しい。とくに単一線維の分離が困難である。3)自律神経が特有の自発性放電を持っている。このような理由のため最近に至るまでデータ分析には著しい困難がつきまとっていた。
ところが過去約10年間に自律神経反射性活動電位の研究に加算平均法が取り入れられ,また自律神経単一線維の分離によりその活動を定量的に分析されるようになってきた。その結果これまで未知の部分の多かった体性一交感神経反射性活動電位の中枢内の反射系路についても脊髄反射,延髄反射,上延髄反射など,さらに反射に関与する体性求心性神経線維(Karl et al. 1975)などについてもようやく生理学的な説明が行なわれるようになってきた。
Recent works by Sato and his coworkers on the effect of cutaneous stimulation on the cardiac, gastric and urinary vesical functions in rats, were mainly reviewed.
1) Nociceptive stimulation of the skin could produce changes in heart rate in accord with changes in an efferent discharge activity of the cardiac sympathetic nerve. A difference in responses of the heart rate at different body temperatures was observed.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.