Japanese
English
特集 脊髄損傷
脊損者の自律神経障害―起立性低血圧と自律神経過緊張反射
Autonomic Dysfunction in Patients with Spinal Cord Injury: Orthostatic Hypotension and Autonomic Dysreflexia
岩坪 暎二
1
,
小嶺 信一郎
1
,
山下 博志
1
Eiji Iwatsubo
1
,
Shinichiro Komine
1
,
Hiroshi Yamashita
1
1労働福祉事業団総合せき損センター泌尿器科
1Department of Urology, Spinal Injuries Center, Iizuka.
キーワード:
起立性低血圧
,
脊髄損傷
,
自律神経過緊張反射
Keyword:
起立性低血圧
,
脊髄損傷
,
自律神経過緊張反射
pp.427-432
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104964
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
自律神経系には相異なる性格をもつ交感神経と副交感神経がある.これらは,感覚器,呼吸器,循環器,消化器,泌尿器,生殖器,皮膚および血管等の平滑筋に分布し,無意識下の反射機構を介して生体の恒常性維持に重要な役割を果している.その中枢は視床下部,脳幹部にあって,より上位の中枢と,脊髄レベルに存在する反射中枢との間に複雑な統合調節機能を営んでいる.
脊損者においては,自律神経系の障害は内臓諸器官の機能異常を起こすので,生命の予後にかかわる重大な意味をもつ.今回は,血管系の異常,とくに起立性低血圧,および自律神経過緊張反射について自験例を交え論述する.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.