Japanese
English
特集 平衡機能と姿勢反射
姿勢反射の発達
Development of postural reflexes
北原 佶
1
Tadashi KITAHARA
1
1鳥取大学医学部脳神経小児科
1Section of Child Neurology, Brain Research Institute, Tottori Univ. School of Med.
pp.738-744
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903654
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I.はじめに
姿勢は年齢により特徴的変化を示す。姿勢を詳細に観察することにより,小児の成熟度をある程度推測しうる1,2)。小児では,姿勢の発達は,運動能力の発達とも密接な関係を有し,生後1年前後までの頸定,寝返り,坐る,這う,立つ,歩くという運動発達と並行して著しい変化を示す。姿勢は,身体の構成部分である頸部,躯幹,四肢の相互関係によって生みだされる"構え"attitudeと,身体が重力に対していかなる関係にあるかによって生みだされ,主として迷路機能によって影響される"体位"positionとに分けられる3)。この二つの組合わせにより種々の姿勢をとりうるが,ひとつの姿勢を保持したり,ひとつの姿勢から他の姿勢へと変化させる運動をおこしたりするのには,姿勢反射postural reflexが重要な役割をなす。姿勢反射は,静的static,運動性statokinetic,視性運動性optokineticの三つに分類できる4)。静的姿勢反射とは,身体が静位にある時の姿勢の反射的変化で,姿勢のための刺激が一定であり,反射も持続的に現われ,重力に抗して姿勢を一定に維持する。静的反射は,さらに緊張性反射tonic reflexと立ち直り反射righting reflexとに分けられる。
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