Japanese
English
特集 平衡機能と姿勢反射
病的症例の分析—脳性小児麻痺を中心として
Clinical analysis of pathological cases: Cerebral palsy and others
瀬川 昌也
1
Masaya SEGAWA
1
1瀬川小児神経学クリニック
1Segawa Neurological Clinic for Children
pp.745-748
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903655
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姿勢反射は除脳硬直をおこした動物を用いて研究され,動物が正常の姿位をとるために必要な反射であり,多くの反射弓の組合わせからなるgeneral static reactionと理解されている1)。姿勢反射には,頸筋および迷路器官が重要な役割を有しており,代表的なものとして,緊張性頸反射(tonic neck reflex),緊張性迷路反射(tonic labyrinthine reflex),迷路性起立反射(labyrinthine righting reflex)などがある。また,把握反射は,前頭葉area 6aおよびsupplementary motor areaが関与するものであるが,姿勢反射に随伴するものと考えられている。
これら姿勢反射には,正常人では,神経系の発達のある段階までは出現し,後に消失するもの,あるいは,神経系の発達に伴い出現するものがあるが,神経系の病的状態では,本来消失しているべき反射が増強されたり,正常では認められるべき反射が消失している。したがって,姿勢反射の状態を観察することは,神経系の発達状況の診断,および神経疾患,とくにいわゆる錐体外路系疾患の診断に重要な役割を占めている。
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