Japanese
English
総説
姿勢反射の発達
Development of Postural Reflexes
北原 佶
1
Tadashi Kitahara
1
1鳥取大学医学部脳神経小児科
1Division of child Neurology Tottori University
pp.1029-1044
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204137
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I.はじめに
動物が移動する際には,移動にともなう重心の変化に対して,姿勢を調節して体の重心の安定を保つ必要がある。姿勢の調節は,皮膚・筋・腱・関節にある固有感覚器,内耳,眼などからの求心性刺激が中枢神経系で統合・処理され,その結果,頭部・躯幹・四肢の相互関係が重心のバランスを保つよう筋緊張が連続的に変化することによりおこなわれている。このように姿勢を調節する機構が広義の姿勢反射postural reflexesである。
人間では,この姿勢保持機能は,生後より徐々に発達し,臥位から坐位,立位,そして立位での移動,を可能とする。乳児の連動発達は,種々の姿勢反射と密接な関係を有し,姿勢反射の発達を評価することにより,乳児の運動能を評価しうることが多い。しかし,姿勢反射と運動能との相互機序に関しては,いまだ不明な点が多い。本稿においては,従来の文献について簡単にreviewを行い,ついで,筆者が検討してきた成績と対比させながら姿勢反射と運動機能の関連について考察を加えることにする。
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