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特集 平衡機能と姿勢反射
Tonic Labyrinthine Reflexの動物Modelにおける分析
Studies on the tonic labyrinthine reflexes using animal as a model
永木 譲治
1
Joji NAGAKI
1
1熊本大学医学部附属病院中央検査部
1Clinical Pathology, Kumamoto University Medical School Hospital
pp.721-727
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903652
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I.はじめに
頭部の空間に対する位置の変化が四肢筋の緊張に及ぼす影響,すなわちTonic Labyrinthine Reflex(TLR)については,すでにMagnus1)の古典的な研究があり,その成果はその後の多くの生理学教科書に引用されているところである。しかしながら,動物が背位で口角が水平面から上向きに45゜の角度をとったとき最大の伸筋緊張を,逆に腹位で口角が下向きに45゜の角度をとったとき最小の伸筋緊張を示すということは一般に認められているところであるが,その中間の位置では,前肢後肢ともに両側平等に緊張の変化を示すということに対して疑いがもたれ,追試の必要性が指摘されている2)。そこで著者は除脳猫頭部を動物の前後軸のまわりに左右に回転傾斜した場合の前肢上腕三頭筋の筋電図を導出して,その緊張性変化を調べ,すでに報告した3,4)。他方,TLRに関する解剖学的ならびに神経生理学的研究は,最近目覚ましい発展を見せ,末梢のみならず中枢性の神経機構もかなり詳細なところまで明らかにされてきた。したがって,この論文の目的は,前回の著者の報告についてさらに実験動物の例数を重ねることにより,追試確認を行なうとともに,そこに得られた成績が,現段階において明らかにされている解剖学的ならびに神経生理学的研究成果からどの程度まで説明しうるかというTLRについての動物をモデルにした解析を試みることにある。
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