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廻転刺激による静的並びに動的迷路反射
福田 精
1
,
檜 学
1
,
時田 喬
2
,
倉田 敏夫
1
1岐阜医科大学耳鼻咽喉科教室
2岐阜医科大学医学部
pp.689-699
発行日 1958年9月20日
Published Date 1958/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202075
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I.はじめに
家兎,海猽等を緊縛せず廻転椅子にのせ廻転刺激を負荷すると,廻転が初まるや否や頭部頸部躯幹四肢は廻転と逆方向に偏倚し廻転のつづく限りこの姿勢は持続する。この姿勢の変化は廻転刺激に対する迷路脊髄反射と認められ,両側の迷路機能廃絶動物では成立しないことから更に裏書きされている。ここに報告する実験は,廻転刺激を連日繰り返し動物に課すことによつて如上の廻転中の姿勢の偏倚が著るしく変化する事実を述べたい。即ち従来廻転と逆方向へ偏倚する姿勢のみが迷路脊髄反射と考えられ毫も疑われなかつたが,連日廻転を繰り返していると椅子の廻転と逆方向への偏倚のみでなく廻転方向へ頭,頸,躯幹は偏倚し全く逆の反射相が現われることを報告したい。
この実験を企図した我々の考え(concept)は非常に大切であるから先ずそれをintroductionとして述べておく。
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