特集 神経疾患と脂質代謝
Gangliosidoses
藪内 百治
1
,
岡田 伸太郎
Hyakuji YABUUCHI
1
,
Shintaro OKADA
1大阪大学医学部小児科学教室
1Dcpartment of Pediatrics, Osaka University Medical School
pp.506-516
発行日 1973年6月3日
Published Date 1973/6/3
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903515
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もっとも古くに発見されたリピドーシスとしてTay-Sachs病があげられる。初の報告から60年後の1942年にガングリオシドが脳に蓄積すること1)が報告され,後にそれがGM2ガングリオシド(以下GM2)であることが同定された2)が,長い間唯一のganglioside storage diseaseと考えられていた。1965年にGM1ガングリオシド(以下GM1)が蓄積する疾患がgeneralized gangliosidosisとして報告された3,4)。Tay-Sachs病の病因は不明であったが,1968年,Tay-Sachs病と全く同じ症状,経過を示し酵素学的に異なる疾患が見いだされた5)。その後generalized gangliosidosisがβ-galactosidaseの欠損によることが明らかにされ6),つづいてTay-Sachs病がhexosaminidaseのA分画の欠損によることが示されて7),GM1およびGM2が蓄積する疾患,すなわちGM1-およびGM2-gangliosidosisの病因が明らかとなった。
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