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話題
ライソゾーム酵素欠損症と修飾因子
Lysosomal Enzyme Deficiency and its Modifying Factors
岡田 伸太郎
1
Shintaro Okada
1
1大阪大学医学部小児科
1Department of Pediatrics, Osaka University Medical School
pp.514-516
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205518
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ライソゾームにおける酸性加水分解酵素の欠損はライソゾーム内へのある特定の物質の蓄積をひきおこし,ライソゾーム蓄積症とよばれる。その多くは遺伝性疾患であり,ライソゾーム酵素の生化学的異常が証明されている。しかし,その異常の本態が酵素の単なる欠損として把握するにはあまりにも複雑なものであることが,近年のライソゾーム酵素の分子生化学の発展から判ってきた。すなわち,ライソゾーム酵素の機能が正しく発揮されるためには多くの修飾因子が総合的に正常環境をつくり上げなければならないのである。ライソゾーム酵素の動態からみて,修飾因子は2つに大別されると思われる。それは酵素を合成してからライソゾームへ輸送するまでの段階で関与する因子と,ライソゾーム内で酵素が働くために必要な環境をつくり上げるための因子である。本稿ではそれらについて述べる。
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