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特集 神経病理—第10回日本神経病理学会総会より
筋神経疾患
Neuropathic arthrogryposisの1剖検例
An Autopsy Case of Neuropathic Arthrogryposis
本多 光弥
1
,
花井 淳
2
,
岡田 正直
3
,
田中 学
3
,
神尾 守房
4
,
野瀬 宰
4
,
藪内 百治
4
Mitsuya Honda
1
,
Jun Hanai
2
,
Masanao Okada
3
,
Manabu Tanaka
3
,
Morifusa Kamio
4
,
Sai Nose
4
,
Momoji Yabuuchi
4
1大阪回生病院中央検査室
2市立堺病院中央検査室
3大阪大学医学部第2病理学教室
4大阪大学医学部小児科学教室
1Medical Technology Center, Osaka Kaisei Hospital
2Medical Technology Center, Sakai City Hospital
32nd Dept.of Pathology, Osak University School of Medicine
4Dept. of Pediatrics, Osaka University School of Medicine
pp.379-386
発行日 1970年7月5日
Published Date 1970/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903143
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Ⅰ.緒言
arthrogryposis multiplex congenitaは,比較的まれな疾患であつて本邦では,あまり報告はみないし,その剖検例についてはほとんど文献に記載されているものがない。しかし欧米ではすでに19世紀中頃にOtto1)の報告があり,はじめは主として四肢関節の先天性の異常が認められるので整形外科領域で注目されていたらしい。1913年にはRocher2)によつてmultiple congenital articular rigiditiesという名が附せられ病気の本態について次第に目が向けられるようになつた。現在一般に用いられているarthrogryposis multiplex congenitaという名称は1923年にStern3)によりつけられたものでmultiple,congenital curved jointsの意味である。しかしその後この病気の本態が関節にあるのではなくて関節に附着する骨格筋の一次的変化が関節に二次的の強直をもたらすものである説が有力となり,Ullrich4),Stoeber5),Middleton6),Gilmour7)らは,筋肉に筋原性の萎縮性病変を伴つた症例を報告している。
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