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特集 神経病理—第12回日本神経病理学会学術研究会より
シンポジウム—脳の発達とその障害
Ⅱ.胎生期における脳障害
重症心身障害の脳病理—とくに脳傷害にもとづく重症脳性麻痺の臨床と病理の関係について
A neuropathological study on patients with severe physical and mental disturbances, with special reference to the relationship with clinico-pathological observations of severe cerebral palsies dueing to brain damages
室伏 君士
1
,
森松 義雄
2
,
半田 照彦
2
,
篠原 猛
2
Kunshi MUROFUSHI
1
,
Yoshio MORIMATSU
2
,
Teruhiko HANDA
2
,
Takeshi SHINOHARA
2
1順天堂大学医学部精神神経科
2東京都立府中療育センター
1Department of Neuropsychiatry, Juntendo University, School of Medicine
2Fuchu Ryoiku Center (Metropolitan Rehabilitation Institute for Severely Handicapped, Tokyo)
pp.422-437
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903396
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重症心身障害は行政上の呼称概念であり,身体的・精神的障害が重複し,かつ重症であるものと一応規定されている。しかしこれをその療育の一面として医学的に取り扱ってみると,身体・運動障害と知能・人格障害がそれぞれ重度で組み合わさって,常に医療とケアーを必要とする実態を経験している。そしてこのものには,さまざまな原因によるものをふくみ,その症状・障害の有様も多彩で,脳においてもいくたの病理解剖像を備えていることを知る。それゆえに重症心身障害児者の療育の実際や,日常の相談にたずさわるものは,人格発達の遅滞の特徴,しばしば伴うてんかん性発作・異常行動・神経麻痺などの障害の本態,およびそれらの基盤である主座の脳の有様を,内臓諸器官の脆弱性とともに,一般的であれ理解しておくことは,診断上の的確な判断と療育上の適正な目標を定めるうえで,きわめて必要なことと考えられる。
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