Japanese
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特集 第6回脳のシンポジウム
主題—脳研究のあり方(パネル討論)
神経化学の今後
The Future of Neurochemistry
塚田 裕三
1
Yasuzo Tsukada
1
1慶応義塾大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Keio Univ. School of Medicine
pp.416-418
発行日 1971年7月15日
Published Date 1971/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903253
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私の申しあげますことは,今日の午前中から午後にお話をいただきました日本における神経化学の第一線におられる方々のお仕事で,もう尽きていると思います。ただ,これらのお話を私なりにとりまとめて話題を提供させていただきたいと思います。
神経化学というのが,どうも評判が悪いのでありますが,それはさつぱり病気の原因の解明,あるいは予防,診断,治療という問題に結びついてこないということにあるようです。これはとくに日本の神経化学が遅れているということではないと思います。もともと神経化学という学問の歴史が浅く,基礎的にやつておかねばならない問題が山積していたのでありまして,昨今ようやく形がついてきたというのが本当だろうと思います。外国では初めから臨床の中に神経化学が育つたわけでありまして,臨床の中での関心がとくに強かつたということはあつたと思います。
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