Japanese
English
特集 脳のシンポジウム
主題:加齢と脳
加齢と脳—神経化学の立場から
Aging and Brain from the Neurochemical Viewpoint
塚田 裕三
1
Yasuzo Tsukada
1
1慶応義塾大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, School of Medicine, Keio-University
pp.597-601
発行日 1967年10月25日
Published Date 1967/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906429
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I.緒言
神経細胞の発育過程はほかの体細胞のものとかなり異なり多くの特徴をもつものであることはよく知られている。すなわち出生時までにすでに細胞分裂は完了しており,出生時の神経細胞は一生を通じて働き続けるものでみかたによつては神経細胞の加齢現象は出産とともに始まるということもできる。このような観点に立つならば脳の発育に伴う物質分布の変化や酵素系の出現などの生化学的変化を系統的に追求していくことは脳の機能発現に伴う化学的な基盤を探る上に重要なことであるし,また発育盛りの脳に加えられた侵襲によつて精薄や脳性麻痺がいかにして出現してくるかという問題やひいては脳の老化現象を追求するのにも有力な手がかりを提供することとなるであろう。
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