Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
細胞膜表面の糖鎖抗原であるガングリオシドを認識する抗体は,自己免疫性末梢神経障害患者血中に認められ,診断マーカーおよび病態解明の手がかりとして注目されている。とくに抗GQ1bIgG抗体はFisher症候群や外眼筋麻痺を伴うGuillain-Barré症候群の急性期に特異的にしかもほぼ全例に陽性であり,GQ1b抗原が動眼神経・滑車神経・外転神経の傍絞輪部ミエリンに局在することから発症機序に重要な役割を果たすものと考えられる。GD1b・GT1b・GD3などジシアロシル基をもっガングリオシドを認識する抗体(主としてIgM M蛋白)は感覚失調性末梢神経障害に特異的にみられ,後根神経節に存在するGD1bが抗体の標的である可能性がある。われわれは最近GD1bをウサギに免疫して感覚失調性末梢神経障害を実験的に作成し,抗ガングリオシド抗体の発症因子としての重要性を示した。抗ガングリオシド抗体は神経障害の分布を決める因子である可能性がありさらに今後の検討が重要である。
Antiganglioside antibodies are frequently raised in sera from patients with autoimmune neuropathies such as Guillain-Barre syndrome (GBS), multifocal motor neuropathy (MMN), chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy (CIDP), and IgM paraproteinemic neuropathy. Anti-GQ1b IgG antibody is specifically raised ir almost all acute phase sera from patients with Miller Fisher syndrome and GBS with ophthalmoplegia.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.