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はじめに
21世紀,日本はこれまでにない高齢化社会を迎えるといわれている。1996年における65歳以上の老齢人口は日本総人口の15%に達しており,さらに2007年には20%にまで達する。老齢人口率の増加速度は世界の中において断然速く,それに伴って生じている種々の問題に対する対応の遅れが目立っていることも事実である。このような長寿命社会を迎えている今日,とくに医療の分野におけるアルツハイマー病,パーキンソン病などの神経変性疾患がもたらす弊害は,本疾患群が加齢に伴い,とくに働き盛りの中年以降に発症の増加が認められることもあり,きわめて深刻な問題である。
このパーキンソン病のわが国における有病率は,10万人につき約100人と推定され,かなり罹患率が高いため,社会的に重大な意味を持ちうる。社会的にも本人にとっても,また家族のケアーなども人きな問題である。このような悲惨な状態を改善するため,この10年間,私どもはパーキンソン病の原因物質と防御物質の探索を進めてきた。
There have been many reports in which 1, 2, 3, 4-tetrahydroisoquinoline (TIQ) derivatives may be related to the onset of Parkinson's disease. We have already confirmed that TIQ and 1-methyl-TIQ (1MeTIQ) were detected in the brains of mice, rats, and humans ; and the 1MeTIQ content in the parkinsonian brain was decreased in comparison with that in a normal subject's brain, though the TIQ content was not changed in between both brains.
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