Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
アルツハイマー型老年痴呆(Senile dememtia ofAlzheimer type:SDAT)は,脳の神経細胞の広範な脱落および老人斑(senile plaque),脳血管アミロイド(vascular amyloid),アルツハイマー神経原線維変化(neurofibrillary tangle)といった異常構造物の出現を,その神経病理学的特徴としている。なかでも老人斑は正常老人脳にも出現し,その数は加齢とともに増加するが,この老人斑が多数出現する疾患は,SDATとダウン症に限られており,疾患特異性が高く,SDATの発症機構を解明する上で重要な手がかりと考えられている。老人斑は,光顕的にはBielschowsky染色などの鍍銀染色で容易に識別可能である。典型老人斑と呼ばれるものは,中央部にアミロイドの芯,周囲に腫大変性神経突起からなる冠と呼ばれる構造を持つ。アミロイドの芯が見られず,腫大変性神経突起の冠の部分からだけなるものは,原始老人斑,さらに境界不鮮明な,しみ状で腫大変性神経突起を欠くものはび漫性老人斑と呼ばれている。
1984年にGlemerらは,脳血管アミロイドを抽出し,正常脳では見られない分子量約4200の蛋白を見出し,その部分一次構造を決定,β蛋白と名付けた9,10)。また,Mastersらは老人斑アミロイドを単離,A4蛋白と名付け,そのアミノ酸配列を明らかにしたが,その配列は,1ヵ所を除きβ蛋白と同じであった23)。この両者の報告したアミノ酸配列をもとに,抗血清,モノクローナル抗体が作製され,多くの免疫組織学的検索がなされた2,42)。その結果,これらの抗体によって脳血管アミロイドと老人斑アミロイドが染色されたことより,両アミロイドが同一の蛋白(β蛋白)により構成されていることが明らかとなった。
The author has demonstrated apolipoprotein E (apo E) immunohistochemically in cerebral amyloid deposits in Alzheimer's disease (AD) brains and in kuru plaque amyloids in Creutzfeldt-Jakob disease (CJD) brains, using commercially available antisera to apo E and specific antisera raised against synthetic peptides for human apo E.
The antisera were raised to synthetic peptides corresponding to three portions of human apo E; amino-terminal part (El), receptor binding part (E2) and carboxyl-terminal part (E3).
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.