特集 緩和ケア実践マニュアル Start Up & Beyond PEACE
Part4 がん治療と緩和ケアのQ&A
代替療法/余命・予後/死の希望/積極的治療の中止/Bad Newsと家族の希望
大場 大
1
,
鈴木 梢
2
,
西 智弘
3
,
勝俣 範之
4
,
上村 恵一
5
,
関本 剛
6
,
吉田 健史
7
,
廣橋 猛
8
,
坂下 明大
9
1東京オンコロジーセンター
2がん・感染症センター都立駒込病院
3井田病院
4日本医科大学武蔵小杉病院
5北海道医療センター
6ホームホスピス関本クリニック
7近畿大学病院
8永寿総合病院
9神戸大学医学部附属病院
pp.156-160
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200388
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Q 化学療法中や終了後に、エビデンスのない補完代替療法を患者が希望されたとき、どのように答えるべきでしょうか
A 腫瘍内科医の立場から:大場先生
「エビデンスがない」と断じてしまうのは容易ですが、それら療法が心配や不安に対するある種のよりどころになっていることに一定の理解を示してあげましょう。もちろん、インチキ免疫療法のような高額自由診療や家族と過ごす大切な時間の足枷となるエセ医学に対しては、生存利益がないことをしっかり説明しておく必要はあります。一方で、腫瘍内科医としてのプロフェッショナリズムを再考する機会でもあります。例えば、化学療法以外の営為で患者の幸福や安心に寄与できているか、予後を数字で裁いておきながら緩和ケアには無関心を装っていないかなど。言うは易しですが、患者のQOL維持を常に意識しながら、より優しい対話を心がけてほしいです。
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