連載 これからのがんサポート[7]
乳がん患者へのサポート
品田 雄市
1
1東京医科大学病院がん相談窓口
pp.526-530
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200241
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乳がんとがん相談支援
今回は、乳がん患者さんへのサポートについて考えてみます。乳がんは女性の罹患数が最も多いがん種で、年齢別にみた女性の罹患率は30歳代から増加しはじめ、40歳代後半〜50歳代前半にピークを迎えます。女性の乳がんの生存率は比較的高くなっています。男性の乳がんは年間の死亡数で女性の乳がんの100分の1以下のまれながんであるものの、女性の乳がんに比べて生存率が低い(予後が悪い)ことが知られています。
乳がん患者からの相談は、他のがん種に比して、①初期治療をめぐる意思決定に関する支援、②がん治療と就労の両立に関する相談、③セクシュアリティやアイデンティティに関する相談、が特徴的です。それらは、女性のライフステージやボディイメージに関連しており、なかにはかなりデリケートな問題も含んでいますが、臨床実感として、多くの患者は医師やがん専門相談員が異性であることに抵抗をもちません。むしろ、性差を意識するのではなく、より多くの対話と理解し合える機会を求めているのです。
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