発行日 2009年5月20日
Published Date 2009/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2009212961
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本研究の目的は切除術、温存術や再建術を受けた女性乳がん患者を対象に、術後3ヵ月から2年までの患者のquality of life(QOL)と、患者が希望する支援を明らかにすることであった。360名の乳がん患者に質問紙調査を実施し、有効回答率は54.4%であった。質問紙は、乳がん患者用に変更を加えたWorld Health Organization/Quality of Life-26とソーシャルサポート尺度が使用された。研究の結果、乳がん患者のQOLは、術後3ヵ月がもっとも低く、多くのサポートを必要としていた。再建術を受けた乳がん患者は、切除術や温存術を受けた乳がん患者と同様にQOLの総合評価は維持され、サポートを希望する割合は、他の術式に比べて高い傾向を示した。また切除術や温存術を受けた患者が希望するサポートには特徴があり、QOL向上のために術式に応じたサポートが重要であることが示された。術式の異なる乳がん患者のサポートに対するニーズを理解し、適切な時期に適切なサポートを提供することが患者のQOL向上につながると考える。
©Nankodo Co., Ltd., 2009