発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2013226690
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者自身は遺伝子検査を受けていないが、「家族性乳癌」の臨床像に該当する若年乳癌患者(30代・女性)が、生前に著者(癌専門看護師)に託した「私の生きた証を書いて欲しい」という思いを受け、面接の内容などを「対象の喪失」の観点から分析、報告した。「同病の母親との死別」の喪失体験が、患者や家族に乳癌の進行や終末期に関する具体的なイメージを与えており、それが、患者の「アイデンティティの喪失」「身体的自己の喪失」「自分自身の死に対する予期による悲哀」を強めていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013